岩手生まれ。生まれてから今日に至るまでの4/5以上の時間を岩手で過ごしてきましたが、現在は東京で暮らしています。岩手も東京も大好きです。
さて、季節はずれではありますが、私が岩手で食べる大好きなもの…それは山菜の王様「しどけ」です。(王様と決めたのは私)
岩手の冬は長いです。寒くて、雪が降って、毎日毎日が雪かきの繰り返し…。
好むと好まざるとに関わらず、岩手では「これぞ冬…」という日々を数カ月過ごします。そんな私たちにとって春は本当に待ち遠しいもの。3月頃からチラホラとやわらかい陽の光が差してくると、あー、春が来るなあ…と、雪とともにココロも溶け始めます。
春がくるときに味わえるあの喜びは、北国に生きる人々の特権ではないでしょうか。
さてその頃になると私の頭の中に必ず浮かぶのがこの「シドケ」。独特の臭みがあるのですが、それがなんともたまりません。お浸しにしてお醤油で食べるのがスタンダードで、他には天ぷらにもします。HPで調べたらごま和えにする食べ方もあるようです。
以前、春になると山菜採り名人と共に山に入っていました(その人は秋になるとキノコ採り名人に変身します)。
シドケの葉っぱは紅葉に似ています。表面にはやや光沢があり、陽の光を反射します。シドケを探して歩くとき、私はこの光沢を目印にします。「あ!あそこが反射しているぞ」と見るとそそくさと歩み寄り、根本を残してゲットします。根本を残すのは来年もまた収穫に来るため。最近は、天然のシドケも随分減っているようです。
最近は食べ物の「旬」がなくなっているとよく言われますが、山菜は別。
その季節にならないと食べられないものがあるほうが、待つ喜び、想像する喜び、そして思い出す喜びがあって良いなあと思います。
来年の春、ぜひぜひ「しどけ」をご賞味くださいませ。
でもその前に、今からたーんとそのおいしさを想像しておいてくださいね。

ラベル:シドケ